立体化学についての復習

A. 構造異性体 → 分子式は同じだが、結合の様式が異なる分子を示します。
           下にpantaneと2-methylbutaneの例を示しました。ともにC5H12ですが、明らかに構造が違います。



B. 立体異性体 → 分子式は同じで結合の様式もおなじであるが、空間的な配置が異なる異性体を示します。
立体異性体には、鏡像異性体(エナンチオマー)ジアステレオ異性体(ジアステレオマー)配座異性体(コンホマー)があります
鏡像異性体(エナンチオマー) → 互いに重ね合わすことが出来ないが鏡像が一致する異性体を示します。
            bromochlorofluorometaneには鏡像異性体が存在します。



見た目はそっくりで、分子内での相対的な位置関係は全く同じで、紫外・赤外・NMRスペクトルでは区別することができません。
純粋なエナンチオマー同士では。融点、沸点、密度といった基本的物理的性質も同一で区別することができません。
旋光度(偏光面を回転させる力)は、エナンチオマー同士で絶対値は同じだけど、符号が逆になります。このため、鏡像異性体のことを光学異性体とも呼びます
手袋の左右を取りかえることが出来ない様に多くの場合、鏡像体間で生物学的挙動が異なります。(この説明には若干飛躍がありますが。。。。)


ジアステレオ異性体(ジアステレオマー) → 鏡像も重ね合わすことが出来ない異性体を示します。
分子内の相対立体化学が異なる異性体を示します。
スペクトルや融点など多くの物理的性質が異なります。